みなさんは費用対効果をしっかりと考え治療を行っていますか。
1時間リハビリを行うとどのくらいの治療費が発生しているかご存知でしょうか。
1時間リハビリを行うだけで、ディズニーランドに1回行けてしまうだけの治療費が発生しています。
今回はリハビリの治療費、費用対効果についてご説明します。
若手の理学療法士や作業療法士、言語聴覚士のみなさんは費用対効果を考え治療を行っていますか。
なかには1単位のコストを知らずにリハビリを行っている方もいらっしゃるかもしれません。
もし1単位のコストを知らない方は非常に危険な状態です。
それではリハビリの治療費や費用対効果についてご紹介します。
リハビリの治療費とは?
リハビリは国で定められた医療保険制度をもとに、20分を1単位とし治療を行なうことで診療報酬をいただいています。
平成26年度診療報酬改定後の治療費についてご紹介します。
脳血管疾患リハビリテーション科
◯脳血管疾患等リハビリテーション料(Ⅰ)(1単位)
・廃用症候群以外の場合 245点
・ 廃用症候群の場合 180点
◯脳血管疾患等リハビリテーション料(Ⅱ)(1単位)
・廃用症候群以外の場合 200点
・廃用症候群の場合 146点
◯脳血管疾患等リハビリテーション料(Ⅲ)(1単位)
・廃用症候群以外の場合 100点
・廃用症候群の場合 77点
運動器リハビリテーション科
◯運動器リハビリテーション料(Ⅰ)(1単位)180点
◯運動器リハビリテーション料(Ⅱ)(1単位)170点
◯運動器リハビリテーション料(Ⅲ)(1単位)85点
心大血管疾患リハビリテーション科
◯心大血管疾患リハビリテーション料(Ⅰ)(1単位)205点
◯2心大血管疾患リハビリテーション料(Ⅱ)(1単位)105点
呼吸器リハビリテーション科
◯呼吸器リハビリテーション料(Ⅰ)(1単位) 175点
◯呼吸器リハビリテーション料(Ⅱ)(1単位)85点
早期リハビリテーション加算
疾患別で1単位あたりの治療費が異なります。
さらに発症や起算日から早い段階でリハビリを開始すると、早期リハビリテーション加算・初期加算というものがつきます。
発症や起算日から30日以内にリハビリを行った場合は30点、さらに14日以内にリハビリを行った場合は45点が追加されます。
費用対効果とは?
1時間あたりのリハビリ費用とは?
上記をもとに脳血管疾患の方にリハビリを1時間(3単位)行った場合の治療費を計算してみましょう。
発症から2日目にリハビリ介入を開始したケースで想定します。
脳血管1単位(245点)✕3+早期リハ加算(75点)=810点
1時間リハビリを行うと8100円の治療費が発生します。
医療保険により1割負担では810円、3割負担では2430円を患者様はお支払いになられます。
みなさんはこの1時間あたりにかかる治療費をしっかりと意識してリハビリを行っていますか。
さまざまな講習会に参加したり手技について勉強するのも重要ですが、このようなリハビリ費用について知ることもとても大切です。
テーマパークチケット代より高い?!
ここで少し脱線します。
“東京ディズニーランド”や“ユニバーサル・スタジオ・ジャパン”の1日チケットの料金を知っていますか。
東京ディズニーランドの1日チケットは税込み6900円、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンの1日チケットは税込み7400円です。
この金額をみてどう思いますか。
高いと思う方もいらっしゃると思います。
実はディズニーランドやUSJのチケットより、1時間リハビリを行った時のほうが料金が高いのです。
先ほどご紹介したように脳血管疾患で発症2日目にリハビリを開始したケースの場合、1時間にかかるリハビリ費用は8100円です。
丸1日ディズニーランドやUSJで遊んだときよりも、高い質のモノを患者様に提供しなければならないということです。
このように目で見えるように数値化し、他と比べることはとても重要です。
しっかりと費用対効果を考え治療を行わなければいけないことがわかったと思います。
まとめ
今回はリハビリでかかる治療費についてご紹介してきました。
1時間リハリビを行うとディズニーランドやUSJの1日チケット代よりも治療費が高くなるため、しっかりと費用対効果を考えリハビリを提供しなければなりません。
この部分に関してあまり意識してこなかった方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
明日からの臨床の診方が少し変わると思います。