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筋短縮と筋攣縮(スパズム)の評価ポイントや治療とは?!2つの違いを大公開!!

筋短縮と筋攣縮(筋スパズム)がありますが、両者の違いや鑑別方法を知っていますか。

ここを理解しておかないと、なかなか患者さんは良くなりません。

 

筋短縮や筋攣縮はどちらも関節可動域の制限になりますが、根本的な原因が違うためアプローチ方法も変わります。

 

まずはしっかりとこの両者の違いを理解しましょう。

筋短縮とは?

筋肉の短縮についてどう理解していますか

ざっくりいうと、筋肉が伸びない状態です。

ゴムが固くなってしまったイメージですね。

 

筋短縮は筋肉の組織自体に問題があり、筋肉の実質部分やその周りを取り巻く筋膜の部分にあります。

筋短縮 ⇒ 筋実質や筋膜が原因

 

筋実質の問題とは?

筋肉の最小単位は“サルコメア”別名では“筋節”であり、これがいくつも並んで束になることで筋原線維や筋線維となり、俗に言う筋肉になります。

 

筋節にはフィラメントがあり、太いミオシンフィラメントと、細いアクチンフィラメントがあります。 

 

太いミオシンフィラメントが間にあり、その両脇に細いアクチンフィラメントがあります。

ミオシンから両脇のアクチンが離れる状態が筋肉が伸びている状態です。

 

筋肉の伸びやすさは筋節の量に関係しています。

 

筋節の数が多ければ多いほど、全体が伸びることがわかると思います。

逆に筋節の数が減ってしまうと、全体が伸びなくなってしまうことがわかると思います。

 

わかりやすく例を上げましょう。

1㎝伸びる筋節が10個ならべば、10㎝伸びます。

1㎝伸びる筋節が5個ならべば、5㎝伸びます。

 

このように筋節によって筋肉の伸びやすさが変わってきます。

筋節 多い    ⇒ 伸びやすい

筋節 少ない ⇒ 伸びにくい

筋節が少なく伸びにくい状態が筋短縮です。

 

筋膜の問題とは?

筋膜は筋線維の周りにある組織です。

そのため筋線維に問題がなかったとしても、その周りを取り巻く筋膜が動かなければ筋肉は伸びることができません。

 

これが筋短縮のもう一つの原因です。

 

筋攣縮(筋スパズム)とは?

筋攣縮は別名“筋スパズム”ともいいます。

イメージとしては、痛みがあるときの筋肉です。

 

カラダへ刺激が加わると筋肉やその周辺の組織にも刺激が加わり、その後侵害受容器が反応し脊髄内へ情報が伝わります。

 

脊髄からのルートは二つあり、一つは脊髄後角から始まり大脳体性感覚野へ行き痛みと関係がある脳ルートです。

もう一つは、脊髄前角を通り交感神経である節前神経を介して四肢に情報が伝わるルートです。

 

このように刺激が脊髄を介して反応し、筋攣縮となって出現します。

 

筋スパズムは、意識せずとも筋肉の収縮が起こっている状態です。

常に筋肉が収縮していることで、筋肉の内圧が上がり症状として出現してきます。

 

筋短縮と筋攣縮の評価方法とは?

筋短縮と筋攣縮(筋スパズム)についてご説明してきました。

2つの違いがわかったと思います。

それでは続いて筋短縮と筋攣縮の違いについてご説明しましょう。

 

筋短縮は筋実質などの問題であるため、ただ筋肉が伸びないだけです。

これに対し筋攣縮は不随意に筋肉が収縮し続けていることで筋肉が伸びづらくなっています。 

 

この違いを踏まえ鑑別方法をみていきましょう。

〜評価の2つのポイント〜

①圧痛をみる

②関節を動かして反応をみる

 

鑑別① 圧痛をみる

鑑別の一つめのポイントは圧痛の有無です。

 

筋短縮は筋節の数が少ないだけであるため、基本的には押しても痛みは生じません。

これに対し筋攣縮は常に不随意に筋肉が収縮しているため、押すと痛みが生じます。

 

筋短縮を筋攣縮を見極めるポイントの一つが圧痛の所見です。

 

鑑別② 動かして反応をみる

鑑別の二つ目のポイントは、関節を動かして反応をみます。

 

筋短縮は筋実質の問題であり、ただ単に筋肉が伸びなくなってしまった状態のため、筋肉を伸ばしても縮めても痛みに大きな変化はありません。

筋短縮で痛みが生じるのは、最大に筋肉を伸ばしたときに生じる伸張痛です。

 

これに筋攣縮は、関節がどの位置でも痛みは大きく変化しません。

それは筋肉が常に不随意な状態で収縮し続けているからです。

 

鑑別のときは、圧痛の評価に加え実際に動かして痛みを評価することが大切です。

 

治療法とは?

筋短縮と筋攣縮の違いを理解できたと思います。

根本的な原因が違うため、治療アプローチも変わってきます。

 

筋短縮は筋節が少なくなっている状態のため、アイシングを行ってもかわりません。

筋節はストレッチを行うことで増えると言われているため、筋短縮にはストレッチを行ってもよいでしょう。

 

逆に筋攣縮にストレッチを行っても効果はありません。

筋攣縮は不随な筋収縮であるため、ストレッチで伸張させようとすると逆に筋収縮が強くなり悪化する恐れがあります。

筋攣縮に対する方法としては、アイシングやリラクゼーションがあります。

 

このように根本的な原因に合わせて、治療アプローチを立案していきましょう。

まとめ

筋短縮と筋攣縮についてご紹介してきました。

筋短縮は筋実質の問題であり、筋攣縮は不随な筋収縮であることがわかったと思います。

 

似たような状態に見えても、根本的な原因が違うため、しっかりと評価し治療アプローチにつなげていきましょうね。

 

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